崩れた本の山の中から 草森紳一 蔵書整理プロジェクト

「最後の文人」草森紳一は、2008年3月東京の自宅マンションで急逝しました。自室に遺されたのは山と積まれた3万冊余りの本たち。このブログでは、蔵書のその後をお伝えします。

「最後の文人」草森紳一は、2008年3月東京の自宅マンションで急逝しました。自室に遺されたのは山と積まれた3万冊余りの本たち。このブログでは、蔵書のその後をお伝えします。

2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

京風おでんをいただきながら

お酒を飲むなら、できるだけ少人数がいい。――ぼくはこの点で、かなりかたくなである。いわゆる「飲み会」に誘われたら、なんだかんだと理由をつけてできるだけ避けようとするし、やむをえず出席するときも、5〜6人以上の「大人数」だと、スキを見つけては…

曠野。

入試が終わって、通っていた、小さな進学塾の塾長さんが、みんなに、結構な額の図書券を「お祝い」として、配ってくれた。喜んでうっかり親の前で開けたが運の尽き。ご自分でそれぞれ内容解説を書いてくださった、英・数・国・社・理の、これから、買うべき…

開かれなかったページ

ある人が、ある本を手に取るには、いろいろな理由があるだろう。著者のファンだったり、内容に興味があったり、装丁が気に入ったり。そんなハッキリした理由はなくても、ふとした縁で、本との出会いは訪れるものだ。 佐藤春夫の『熊野路』は、1936(昭和11)…

蔵書をいったいどうするか(12)「船長、陸地が見えます!」

そろそろ、大船に乗った気になっても良いような雰囲気である。 まだまだ、という声も聞こえるけれど、小さな船で荒海に漕ぎ出したときの 心細さを思い出せば、荒れ模様もそろそろ終盤ではないかと思いたくなるほどの 今は凪。遥か彼方に陸地が見え隠れし、望…

砂場。

小さな頃、よく砂場で遊んでいた。今となっては、何が面白かったのか、皆目分からないのだが、とにかく、穴を掘る、捏ねる、また埋める、そんなことを飽きもせず、暗くなるまで繰り返していたはずだ。 とはいえ、古代遺跡の発掘作業には、興味が持てない。古…

その先は永代橋 白玉楼中の人