美術・写真・映画
うわぁっ! その雑誌の裏表紙を見た瞬間、ぼくは思わず、悲鳴に近い大声を上げていた。Living Yellow氏と東海晴美さんが、何ごとかといったような目で、こちらを見る。 いや、なんてことないんですよ。ただね、びっくりしたんですよ。 草森先生の蔵書の中に…
昔、戦時下の日本映画の傑作、『人情紙風船』(1937年、DVD入手可能)の上映会に誘ってくれた先輩がいた。それが山中貞雄監督の最期の作品との出会いだった。 草森紳一、氏の御蔵書、『鞍馬天狗のおじさんは―聞書アラカン一代』(竹中労著、徳間文庫、1985…
ヤッターマン、実写版映画化の報には、若干違和感があったが。深田恭子さんのドロンジョさま姿が表紙を飾る、『映画秘宝』誌3月号を目にして、「これでいいのだ」とうなずいてしまった。さて、所詮は、憶測に過ぎないのだが、このドロンジョさま、のネーミ…
スーさん。『釣りバカ日誌』シリーズでの、この呼び名がすっかり定着した感のある、三国連太郎氏。しかし、ひところまでは、あのざらついた16mmフィルムでのブローアップ、ネガポジ反転映像が記憶にこびりつく、原作、水上勉氏の傑作『飢餓海峡』(1965年)を…
先頃、亡くなられた米国俳優ポール・ニューマン氏。『ハスラー』、『スティング』など出演した名作は数多い。 幼い頃。淀川長治氏の解説付きでブラウン管を通して、出会った、初めてのハッピーエンドでない映画、それが。1967年、ニューマン氏の出演した『暴…
歌舞伎座で歌舞伎を観たことが、一度だけある。 いわゆる天井桟敷、三階席で。 まっすぐ前を見ると視界の半分以上は天井である。 花道は見えない。時々、花道で見栄を切る、方々の首だけが覗く。 しかし、舞台の全体像は、かえって把握しやすかった。 河竹登…
11月28日、さて今日はどの箱を開けようかと700箱を越える段ボールの山を眺める。目録作りに協力している人たちは、作業日の、好きな時間に倉庫に来て、興味のある箱を開ける。これまで私は「歌舞伎・能」「神話・宗教」「広告・メディア」の箱をやってきたの…
氏のテレビはかなり前から故障していた。直さないままだった。 しかし、映るうちは観ていた。 『en-taxi』(扶桑社)誌上にて、そうお答えになっていた、と記憶している。 今、ここにある、1923年制作の『バスター・キートンの恋愛三代記』(VHSビデオ:I…