崩れた本の山の中から 草森紳一 蔵書整理プロジェクト

「最後の文人」草森紳一は、2008年3月東京の自宅マンションで急逝しました。自室に遺されたのは山と積まれた3万冊余りの本たち。このブログでは、蔵書のその後をお伝えします。

「最後の文人」草森紳一は、2008年3月東京の自宅マンションで急逝しました。自室に遺されたのは山と積まれた3万冊余りの本たち。このブログでは、蔵書のその後をお伝えします。

2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ケチョンケチョンに言われても!

売れるべくして売れる本も、もちろんある。しかし、売れるはずなのに売れない本もあれば、売れそうにもないのに売れる本も、たくさんある。まったく、出版は、水ものだ。 『中央公論』1936(昭和11)年7月号の別冊付録、ルネ・ジューグレ『日出づる国』(小…

青年。

昔も今も。親の目を憚る、ごみ、というものはある。とっぷりと日も暮れた、塾帰りのガキどもは、そんな古雑誌を求めて、裏山や公園の茂みに連れ立って、「探検」に出かけたものだ。必ず、いろいろな「収穫」があった。多くはきっちりと、束ねられた、それら…

蔵書をいったいどうするか(11) 草森マジック、またしても起こる!

早いもので草森さんが亡くなって1年半。 本人がいなくて文字校正の時間が大幅に省かれるせいか、次々に本が出版されている。近刊では、5月に『中国文化大革命の大宣伝』(芸術新聞社)、7月『フランク・ロイド・ライトの呪術空間』(フィルムアート社)、…

産業。

花火大会に向う人々で混雑し始めた、電車の中で、「こち亀、予約した?」などと子どもたちが話していた。ストーリーともギャグともつかぬ、独特の世界を、「週刊少年ジャンプ」誌上に構築しつづけて、はや三十数年。秋本治先生の代表作『こちら葛飾区亀有公…

その先は永代橋 白玉楼中の人