2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧
売れるべくして売れる本も、もちろんある。しかし、売れるはずなのに売れない本もあれば、売れそうにもないのに売れる本も、たくさんある。まったく、出版は、水ものだ。 『中央公論』1936(昭和11)年7月号の別冊付録、ルネ・ジューグレ『日出づる国』(小…
昔も今も。親の目を憚る、ごみ、というものはある。とっぷりと日も暮れた、塾帰りのガキどもは、そんな古雑誌を求めて、裏山や公園の茂みに連れ立って、「探検」に出かけたものだ。必ず、いろいろな「収穫」があった。多くはきっちりと、束ねられた、それら…
早いもので草森さんが亡くなって1年半。 本人がいなくて文字校正の時間が大幅に省かれるせいか、次々に本が出版されている。近刊では、5月に『中国文化大革命の大宣伝』(芸術新聞社)、7月『フランク・ロイド・ライトの呪術空間』(フィルムアート社)、…
花火大会に向う人々で混雑し始めた、電車の中で、「こち亀、予約した?」などと子どもたちが話していた。ストーリーともギャグともつかぬ、独特の世界を、「週刊少年ジャンプ」誌上に構築しつづけて、はや三十数年。秋本治先生の代表作『こちら葛飾区亀有公…