ある人が、ある本を手に取るには、いろいろな理由があるだろう。著者のファンだったり、内容に興味があったり、装丁が気に入ったり。そんなハッキリした理由はなくても、ふとした縁で、本との出会いは訪れるものだ。 佐藤春夫の『熊野路』は、1936(昭和11)…
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