崩れた本の山の中から 草森紳一 蔵書整理プロジェクト

「最後の文人」草森紳一は、2008年3月東京の自宅マンションで急逝しました。自室に遺されたのは山と積まれた3万冊余りの本たち。このブログでは、蔵書のその後をお伝えします。

「最後の文人」草森紳一は、2008年3月東京の自宅マンションで急逝しました。自室に遺されたのは山と積まれた3万冊余りの本たち。このブログでは、蔵書のその後をお伝えします。

それだけでニュースになるのだ!

 帯広大谷短期大学から、新聞の切り抜きをお送りいただきました。1つは、『十勝毎日新聞』11月11日付夕刊。

音更出身の作家 故草森さんの蔵書
帯広大谷短大に寄贈 公民館に3万冊到着

と見出しが付いています。もう1つは、翌日の『北海道新聞』の朝刊。こちらの見出しは、次のようなものです。

音更出身草森さん「遺産」活用へ
蔵書3万冊受け入れ開始
帯広大谷短大 廃校を保管庫に

 「到着」したとか、「受け入れ開始」というだけでニュースになるとは、さすがわれらが草森蔵書!
 『十勝毎日新聞』の記事には、「この日、表に「海外文学(ミステリー、サスペンス)」「文学(SF関連)」などと書かれた段ボールが次々と運び込まれた。」とあります。引っ越し屋さんたちが箱を担ぎ込むようすが目に浮かびますね。たしかにそんな箱、ありましたなあ。他にも、「穴」とか「橋」とか、ユニークな箱がいっぱいありました。
 『北海道新聞』は、今日に至るまでの経過を「草森さんの遺族が今年3月、東京のマンションに残された膨大な蔵書の寄贈を同短大に打診。町教委は、26年前に廃校となり現在は一部を公民館に使っている、旧校舎の貸与を申し出た。短大側も「大学で大切に扱い、地域貢献につなげたい」と受け入れを決めた。」とまとめています。そして、「旧校舎の保管庫づくりは、町教委職員が清掃や修繕で協力した」ともあります。地元の方々の善意に支えられて蔵書が「里帰り」できたこと、ほんとうに感謝しております。

 ホームページ「白玉楼中の人 草森紳一記念館」に、大竹昭子さんの連載「目玉の人 草森紳一と写真」の第5回をアップしました。「写真」という観点から、若き日の草森先生を評伝風に語るこの連載、しだいに佳境に入ってまいりました。草森紳一は、どのように写真と出会い、どのような刺激を受けたのか? ぜひ、ご一読ください!

その先は永代橋 白玉楼中の人