崩れた本の山の中から 草森紳一 蔵書整理プロジェクト

「最後の文人」草森紳一は、2008年3月東京の自宅マンションで急逝しました。自室に遺されたのは山と積まれた3万冊余りの本たち。このブログでは、蔵書のその後をお伝えします。

「最後の文人」草森紳一は、2008年3月東京の自宅マンションで急逝しました。自室に遺されたのは山と積まれた3万冊余りの本たち。このブログでは、蔵書のその後をお伝えします。

第2部、ついに完結。

 731箱、3万1618冊。
 まだ夏の香りが残る9月の最終週から始まった「草森紳一蔵書整理プロジェクト第2部」も、思いがけない惜春の嵐に見舞われた今週、金曜日5名、土曜日9名(別働隊1名含む)のご参加を得て、ついに完結の時を迎えました。トータル29週。最初のころは記録を付けていなかったのできちんとした数はわからないのですが、おそらく、のべ約300名、異なりでも20名近くの方々にご協力いただきました。
 貴重なお時間を割いてくださったみなさまのお力添えにより、無事に最後の1冊まで蔵書リストを入力し終えたことには、ほんとうに感慨深いものがあります。ありがとうございました。
 今後、リストを整理していく中で、数字そのものには若干の変動が出てくるかとは思います。が、3万2000冊弱の本というと、仮に1冊の厚さが平均1.5センチとして、全部並べると480メートル。図書館にあるような大きな書棚が、だいたい幅2メートル×6段くらいだとすると、40個分に相当します。
 これだけの本が、あの小さな2DKに収まっていたと考えると!
 草森紳一先生が「本」というものにこだわったその「思い」には、鬼気迫るものさえ感じます。われわれの作業は、その「思い」との格闘だったと言えましょう。
 その格闘に一区切りを付けて、昨夜は西巣鴨の中華料理屋「来佑」にて、ささやかな打ち上げを行いました。ご参加いただけなかった方々も含めて、みなさま、ほんとうにお疲れさまでした!
 はてさて。草森蔵書の今後はどうなるのか? 寄贈先は見つかるのか? 作ったリストはどのような形で公開されるのか? 蔵書プロジェクト「第3部」があるのか?
 さまざまな謎とロマン(?)を秘めつつ、とりあえずはゴールデン・ウィークに突入です。今後の進展についての報告も含め、このブログは続けるつもりですので、引き続き、ご愛読のほどをよろしくお願い申し上げます。

その先は永代橋 白玉楼中の人