崩れた本の山の中から 草森紳一 蔵書整理プロジェクト

「最後の文人」草森紳一は、2008年3月東京の自宅マンションで急逝しました。自室に遺されたのは山と積まれた3万冊余りの本たち。このブログでは、蔵書のその後をお伝えします。

「最後の文人」草森紳一は、2008年3月東京の自宅マンションで急逝しました。自室に遺されたのは山と積まれた3万冊余りの本たち。このブログでは、蔵書のその後をお伝えします。

2万冊突破!

 金属製の屋根にたたきつける雨粒の音が、建物全体に共鳴して、ゴオッと重く低い響きを立てる。暗くさみしい海の底へ、ゆっくりと沈んでいく潜水艦の中にいるような、金曜日の午後。
 かと思えば、くもりガラスの窓から射し込む春の日差しが、何やらものうげだけれどやたらと印象的な陰影を描き出す、土曜日の午後。
 この週末は、全国的に不安定なお天気でしたね。わが蔵書整理プロジェクトの作業場は、まったく異なる2つの季節が背中合わせに並んでいるような、そんな2日間でした。
 それでも、作業は地道ながら確実に進行中。金曜日4名、土曜日5名のご参加を得て、484箱に到達。入力済みの冊数は、ついに2万を突破。2万とんで324冊となりました。
 これで、だいたい全体の3分の2ほどの書誌情報をデータ化できたことになります。当初、目標としていた年度内の作業完了は難しくなりましたが、焦ったってどうにもなりません。ここまで来たのですから、とにかく、1冊1冊、前進していきます。
 作業にご参加くださっているみなさん。そして、このブログをお読みになって、有形無形のご声援をくださっているみなさん。ほんとうにありがとうございます。季節の変わり目ですから、くれぐれもお体をたいせつに。たのしく明るい春を迎えましょう。

その先は永代橋 白玉楼中の人