崩れた本の山の中から 草森紳一 蔵書整理プロジェクト

「最後の文人」草森紳一は、2008年3月東京の自宅マンションで急逝しました。自室に遺されたのは山と積まれた3万冊余りの本たち。このブログでは、蔵書のその後をお伝えします。

「最後の文人」草森紳一は、2008年3月東京の自宅マンションで急逝しました。自室に遺されたのは山と積まれた3万冊余りの本たち。このブログでは、蔵書のその後をお伝えします。

電車の中でも思わず…

 ひっそりと静まりかえった作業場。キーボードを叩く音に交じって、時折、ピーッ、ピーッと、何やらかん高い電子音が聞こえてきます。



 その音源は、バーコードリーダー。カバーに印刷されているバーコードを読み取ることによって、その本のISBNコードを一瞬で入力することができます。ISBNコードを元に、Amazon.co.jpのデータベースにアクセスして書誌情報を取得するフリーソフトを利用すれば、書名や著者名などをこれまた一瞬で入力できるという次第。
 この作業を始める際、ちょっと前にテレビで紹介されていたのを思い出したので、早速、ネット通販で購入しました。お値段は、1万円弱。最近は、携帯電話でもバーコードが読めるものがありますが、専門機の方が性能ははるかに上。少々の汚れなら、気にせず読み取ってくれます。
 おかげで、バーコードが付いている書籍については、圧倒的に楽をさせていただいております。あんまり楽しいので、電車の中で人が読んでいる本のバーコードを見ただけで、思わずピーッとやってしまいたくなるくらい。
 ただし。
 書籍のカバーにバーコードが印刷されるようになったのは、1990年代に入ってからのこと。残念ながら、草森紳一先生の蔵書の中には、バーコードが付いている書籍はそれほど多くはないのです。きちんと数えたわけではありませんが、割合的には、1割から2割といった程度でしょうか。
 もちろん、全体の冊数が推定3万冊ですから、それでも、十分ありがたいことはありがたいのですが。
 今週は、金曜日4名、土曜日5名のご参加でした。リストの整理をまだしていないのですが、460箱、1万9300冊を超えたあたりではないでしょうか。いよいよ、2万の大台が目前です。
 今後とも、みなさまのあたたかいご支援をよろしくお願い申し上げます。

その先は永代橋 白玉楼中の人