崩れた本の山の中から 草森紳一 蔵書整理プロジェクト

「最後の文人」草森紳一は、2008年3月東京の自宅マンションで急逝しました。自室に遺されたのは山と積まれた3万冊余りの本たち。このブログでは、蔵書のその後をお伝えします。

「最後の文人」草森紳一は、2008年3月東京の自宅マンションで急逝しました。自室に遺されたのは山と積まれた3万冊余りの本たち。このブログでは、蔵書のその後をお伝えします。

中間地点の眺め

 お昼過ぎ、いつもの倉庫に到着してみたら、一番乗りなのにエアコンだけは稼働中。どうしたんだろうと思ったら、管理会社の部長さんが気を遣って、朝から暖房を入れておいてくださったのでした。やさしいお心遣い、ありがとうございます。
 でも、風貌から判断させていただく限り、部長さん、このブログを見ていらっしゃるとは思えないのですが(?)。
 今週の参加者は、金曜日4名、土曜日5名。集計はまだ済ませていませんが、だいたい20数箱を消化したものと思われます。全700箱のうち、半分済んだあたりでしょう。
 高校生のころ、苦手だった長距離走。授業で5キロ走らされるのに、一番キツイのは2キロぐらい。2.5キロを越えたあたりから、「あと半分」「あと3分の1」「あと4分の1」と念じ続けると、なんとか走りきることができたものでした。
 社会人になっても同じ。出版社に勤めていたころ、漢和辞典の校正1500ページを見るのに、1日30ページずつ。10日から20日目くらいは、先のことを考えると気力が萎えてしまうのですが、30日目には格段に楽になって、残り500ページを切ると、なんだか名残惜しくなってきてしまう始末。最後の3日間は、頭の中を「蛍の光」が流れたものです。
 なにごとでも、中間地点を越えたあたりから、急に、残りが少なく感じられてくるもののようです。この目録作成作業でもそうなってくれるとありがたいのですが……
 ただ、困ってしまいそうなのは、残った箱の中身。美術関連とか、漢文関係とか、幕末維新の評伝ものとか、けっこう難しそうな本が多いんですよね。やはり、楽には終わらせてくれそうにないですねえ。
 来週も引き続き、金・土に作業を行う予定です。ご参加のみなさま、勇気を出して前に進んでまいりましょう。

その先は永代橋 白玉楼中の人