崩れた本の山の中から 草森紳一 蔵書整理プロジェクト

「最後の文人」草森紳一は、2008年3月東京の自宅マンションで急逝しました。自室に遺されたのは山と積まれた3万冊余りの本たち。このブログでは、蔵書のその後をお伝えします。

「最後の文人」草森紳一は、2008年3月東京の自宅マンションで急逝しました。自室に遺されたのは山と積まれた3万冊余りの本たち。このブログでは、蔵書のその後をお伝えします。

新年のごあいさつ

 新年、明けましておめでとうございます。
 昨年の6月にスタートした蔵書整理プロジェクトも、足かけ2年目に入ります。有志の方々の献身的なご努力によってここまで作業が継続できていることには、驚きを禁じ得ません。
 虎は死して皮を留め、人は死して名を残す。草森先生の場合は、膨大な蔵書と、膨大な原稿を残されました。今年は、その原稿の中から、いくつか新刊が発行予定だというお話もちらほら。また、私としては、できれば今月中にはホームページを立ち上げたいと考えております。蔵書整理だけでなく、さまざまな動きが重なって、先生の「名」が伝えられていくことを願ってやみません。
 あれだけ孤独の中に生きていたように見えた人が、亡くなったとたん、その人の遺したものを中心に、人間関係の輪ができていく……。思えば、不思議なことです。何よりもそれこそが、草森紳一という人の遺産なのでしょう。
 このブログでも、引き続き、蔵書の中からいろいろな本を紹介しながら、草森先生をめぐるさまざまな情報をお伝えしていきたいと思っております。
 今年もなにとぞ、よろしくお願い申し上げます。

その先は永代橋 白玉楼中の人