崩れた本の山の中から 草森紳一 蔵書整理プロジェクト

「最後の文人」草森紳一は、2008年3月東京の自宅マンションで急逝しました。自室に遺されたのは山と積まれた3万冊余りの本たち。このブログでは、蔵書のその後をお伝えします。

「最後の文人」草森紳一は、2008年3月東京の自宅マンションで急逝しました。自室に遺されたのは山と積まれた3万冊余りの本たち。このブログでは、蔵書のその後をお伝えします。

2008-12-07から1日間の記事一覧

風がページをなぜる

長年の知己から、受け取ったメールに添付された、地図をひらつかせながら。 その倉庫に行ってみた。季節はまだ、夏だったのだろうか? 文字通り、その日だけ顔を出して、あわよくば、何かコネクションか、珍品の一冊でも、という根性がなかった、と言えば嘘…

山にむかいて、目を挙ぐ。

崩れかけた本の洞窟……。 その部屋に足を踏み入れた瞬間、ぼくの頭に浮かんだのは、そんなことばだった。 担当編集者としてお付き合いを重ねる中で、草森先生が膨大な蔵書をお持ちだということは、よく聞かされていた。しかし、それがこのわずか2DKのマン…

その先は永代橋 白玉楼中の人